八木哲夫氏インタビュー

大阪インバウンドやねんインタビュー ~日本殺陣道協会 会長 八木氏~

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「大阪インバウンドやねん」インタビュー企画の第二弾。

大阪で殺陣道の体験教室を開いていらっしゃる日本殺陣道協会。
外国人観光客の体験者が非常に多いということで、今回その教室を開いている日本殺陣道協会の会長である八木氏を取材した。

 

 

殺陣道協会とは?

従来、舞台や映画といった業界人または業界を目指す人たちだけが学ぶ特殊技術であった「殺陣(たて)」。
演技表現としての美しい「型」、立ち居振る舞い・所作・礼儀作法・気配り・思いやりといった姿勢、心の鍛錬まで行う「道」。この「殺陣」に「道」という言葉(文字)を加え「殺陣道」とし、当協会は広く一般の方を対象に、「殺陣道」を通して日本の伝統文化を広く学びながら修得する場を提供することを目的としている。
また、立ち回りの技術にだけでなく日本の伝統文化(茶道・華道・書道・日舞・三味線など)や古き良き時代の日本人の「和の心」を学び体得していただけることが「殺陣道」の特徴でもある。

Q.現在体験教室に参加されているのは外国人観光客の方が多いとお伺いしましたが実際のところ、どれくらいの割合で来られてますか?

A.最初は日本人の方に殺陣道を通じて和の心を学んで頂きたかったのが始まりでした。
始めた頃は日本人の体験者がほとんどでしたが、日本へ観光に来られる外国人の方が増えてくると体験者の層も次第に変わっていきました。
ここ5~6年で急激に外国人観光客の体験者が増え、今ではほとんどの割合が外国人観光客の方になります。

 

Q.外国人の方が増えはじめた頃、困ったことなどありましたか?

A.やっぱり始めは言葉の壁には困りましたね。
日本に来ても日本語がわからない外国人がほとんどでしたからね。

 

Q.言葉が通じなかった時はどういった対策をされていたのですか?

A.始めは、ジェスチャーだけでしたね。身振り手振りだけでも伝わる部分はあったので・・・。
でも、次第にやっぱり英語の方がわかりやすいんだろうなと思ってきましたね。
その時に英語の話せる方で手伝ってもらえそうな人がいないか、知り合いに何人かあたりました。
今では、運よく英語の話せる人が常駐してくれるようになったので外国人の方も安心して楽しんでもらえてます。

 

Q.外国人の方が来られるようになってから何か新しく気付いたことはありましたか?

A.海外の方は、家族で来られる方も多かったのですが、一番多かったのは団体さんでの利用ですかね。
撮影等は禁止していないので、体験された方が体験中の写真やムービーをネット上で拡散してくれたり、口コミで広めてくれるなどしてくれたおかげで、観光に来られる方がプランのひとつとして組まれる方が増えてきましたね。
大阪を観光される方や日本の歴史を知るために歴史博物館に訪れる方が多く、見学された後に実際に日本の伝統文化などを体験したいと思う人が多いみたいで、そういった方がよく来られますね。

 

Q.今では多くの外国人観光客の方を相手に体験を実施されていますが、現状もしくは今後の問題や対策などはありますか?

A.こういった業界に限らず、どの業界も流行りのものなどはすぐに真似をされることが多いので、常に一歩先を見るように心がけていますね。
イメージを膨らませ、どんな些細なことでも何か殺陣道と結び付けれるところはないかと考えるようにしています。
ただ、イメージを全て実現できるかと言うとなかなか上手くいかないことが多いのが現状です。
それでも考え続けることが重要なので、今後もイメージは膨らませていこうと思います。

 

まとめ

『大阪城・歴史博物館・殺陣道』のように外国人観光客にニーズのある日本の歴史にまつわる部分と結びついているのは、すごくポイントになりそうですね。
また、言葉の壁も大きな問題ではありますが、何か英語の案内(メニュー)が書いてあるものがあるだけでも利用者側からの利用のしやすさは大きく変わってきそうです。

日本の観光局のデータでは、日本の歴史に興味を持たれている方の層は「欧米の方」が多く、アジア系の方は歴史というより景色や買い物に興味がある方が多いです。
狙いたいターゲットに合わせたニーズ調査はとても重要だと言えます。

取材協力:社団法人 日本殺陣道協会
会長 八木 哲夫

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